リハビリテーションの専門職として日々患者さんと向き合っていると、ふとした瞬間に「英語ができたらもっと世界が広がるのかな?」と考えることはありませんか。特に言語聴覚士(ST)は、言葉やコミュニケーションの壁を取り払うプロフェッショナルですから、語学に対する関心が高い方も多いはずです。でも、日々の業務が忙しい中で、わざわざ英語を勉強する優先順位をどこに置けばいいのか、迷ってしまうのも無理はありません。
実際のところ、言語聴覚士に英語が必要かどうかは、あなたがどのようなキャリアを歩みたいかによって大きく変わってきます。病院の形態や対象とする患者さんの層、あるいは最新の知見をどこから得たいかという目的によって、求められるレベルもさまざまです。
この記事では、現場で使える具体的な知識から、将来を見据えた学習のヒントまで、同じリハビリ職の仲間として寄り添いながらお伝えしていきます。
この記事を読むと、以下のことについて理解できます。
- 言語聴覚士の現場で英語が求められる具体的なシーン
- 英語での正式な名称やカタカナでの読み方といった基礎知識
- 養成校時代や高校生のうちに意識しておきたい勉強のポイント
- 年収や職場環境を含めたリハビリ職としての将来設計の立て方
言語聴覚士に英語が必要とされる理由と現場のリアルな声

現場で働いていると、海外から来られた患者さんを担当したり、新しい評価バッテリーの根拠となる論文を探したりする場面がありますよね。このようなとき、言語聴覚士に英語が必要だと実感する方が多いようです。もちろん、すべての現場でペラペラに話せる必要はありませんが、専門用語としての英語を知っているだけでも、日々の業務の質はぐんと高まります。
ここでは、まず基本となる呼び方から、なぜ私たちが英語に触れておくべきなのか、その背景を紐解いていきましょう。
言語聴覚士の英語での読み方やカタカナ表記の基本
リハビリ職として自分の職種を英語で説明できると、国際的な交流の場でとてもスムーズです。言語聴覚士は英語で「Speech-Language-Hearing Therapist」と表記されます。これを無理やりカタカナで表すと、スピーチ・ランゲージ・ヒアリング・セラピストという読み方になります。
非常に長い名前ですが、名刺や学会の抄録などではこの正式名称が使われることが多いです。ただ、実際の医療現場や海外のカンファレンスでは、もっと短く呼ばれるのが一般的です。
| 表記方法 | 英語名称 | カタカナ読み(目安) |
| 正式名称 | Speech-Language-Hearing Therapist | スピーチ・ランゲージ・ヒアリング・セラピスト |
| 一般的な略称 | Speech Therapist | スピーチ・セラピスト |
| 略称(アルファベット) | ST | エス・ティー |
このように、私たちは普段から「ST」という略称を使い慣れていますが、これは英語の「Speech Therapist」からきています。
言語聴覚士(ST)と作業療法士の英語表現の違い
リハビリテーションチームの中で、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)と一緒に働く際、それぞれの英語表現を知っておくと混乱を防げます。特に作業療法士 英語では「Occupational Therapist」と呼ばれ、略して「OT」と表記されるのは皆さんご存知の通りです。
面白いことに、海外、特にアメリカなどでは「Speech-Language Pathologist(SLP)」という呼び方が主流です。「Therapist(治療士)」ではなく「Pathologist(病理学者・診断者)」という言葉が使われている点に、職域の広さや専門性の高さが伺えます。日本国内でも、外資系のクリニックやインターナショナルスクールに関連する施設では、このSLPという呼称を目にすることがあるかもしれません。
海外の文献や最新の訓練法を学ぶための語学力
私たちが提供するリハビリテーションは、常に根拠に基づいたものであるべきです。しかし、言語聴覚療法の分野において、エビデンスレベルの高い最新の研究論文の多くは英語で執筆されています。
例えば、新しい嚥下訓練の手法や、高次脳機能障害に対する新しいアプローチなどは、海外のジャーナルで最初に発表されることが少なくありません。
- 最新の知見をいち早く取り入れたい
- 日本語の参考書だけでは解決できない症例に出会った
- 大学院に進学して研究を深めたい
このような場合、少なくとも英語の論文タイトルや要旨(Abstract)を読み解く力は、言語聴覚士に英語が必要なスキルの筆頭に挙げられるでしょう。
訪日外国人への対応で求められるコミュニケーション
近年、日本で暮らす外国籍の方や観光客が増えたことで、病院のリハビリ室にも英語を話す患者さんが来られる機会が増えました。失語症や構音障害がある患者さんの場合、母国語でのコミュニケーションが基本となりますが、家族への説明や日常的なやり取りでは、共通言語として英語が役立ちます。
本格的な言語訓練を英語で行うのはハードルが高いですが、「痛いですか?」「こちらへどうぞ」といった簡単なフレーズや、解剖生理学的な説明を英語で補足できるだけでも、患者さんの安心感は大きく変わります。まさに、これからの多文化共生社会において、言語の専門家としての強みを発揮できる場面と言えるでしょう。
言語聴覚士に英語が必要か悩む前に知っておきたい適性と現状

「英語も大事だけど、そもそも国家試験に受かるための勉強が大変!」と感じている学生さんや、これからこの道を目指す高校生の方も多いですよね。言語聴覚士になるための道のりは決して平坦ではありませんが、どのような科目に力を入れ、どのような準備をしておくべきかを知ることで、不安は少しずつ解消されていきます。
ここでは、資格取得までのステップや、働き始めてからの現実的なキャリアについてお話しします。
言語聴覚士になるために必要な科目や高校での準備
高校生のうちから言語聴覚士を志しているなら、どの科目を重点的に学ぶべきか気になるところです。言語聴覚士 必要 な 科目 高校としては、やはり国語(現代文)と生物、そして基礎的な英語が挙げられます。
言葉を扱う仕事である以上、高い日本語読解力は欠かせません。また、専門学校や大学に入ると、解剖生理学という大きな壁が立ちはだかります。高校の生物で基礎を固めておくと、入学後の講義がぐっと理解しやすくなります。
| おすすめの科目 | なぜ必要なのか |
| 国語 | 患者さんの訴えを正確に理解し、報告書を論理的に書くため |
| 生物 | 脳の構造や神経系、発声・嚥下に関わる筋肉の仕組みを学ぶ土台 |
| 英語 | 専門用語の語源(ラテン語・ギリシャ語由来)を理解しやすくするため |
もし可能であれば、数学や物理も「音響学」の理解に役立つので、捨てずに勉強しておくと後で自分が楽になりますよ。
言語聴覚士は生物や文系科目の知識も重要になる理由
よく「STは文系なの?理系なの?」という議論がありますが、結論から言えば、両方のエッセンスが必要なハイブリッドな職種です。
言語 聴覚 士 生物の知識は、失語症のメカニズムや脳画像の読影において必須ですが、一方で心理学や言語学といった文系寄りの知識も同じくらい重要です。
例えば、患者さんの心の動きに寄り添うカウンセリング的な側面は文系的ですし、聴力検査の数値を分析したり補聴器の特性を理解したりするのは理系的なアプローチです。このように幅広い分野にまたがっているからこそ、言語聴覚士 勉強 難しいと言われる一因にもなっていますが、それこそがこの仕事の奥深さであり、面白さでもあります。
言語聴覚士の勉強は難しいと感じる時の乗り越え方
養成校での勉強中、「覚えることが多すぎてパンクしそう!」と泣きたくなる夜もありますよね。医学、心理学、言語学、社会福祉……これらすべてを網羅しなければならないのですから、難しいと感じるのは当然です。
もし行き詰まってしまったら、以下の方法を試してみてください。
- 丸暗記を避け、ストーリーで覚える(なぜその症状が出るのかメカニズムを紐解く)
- 臨床実習でのエピソードと結びつける(教科書の文字を患者さんの顔に置き換える)
- 仲間とアウトプットし合う(人に教えるのが一番の勉強になります)
完璧主義になりすぎず、まずは「この知識が将来、目の前の患者さんを笑顔にするんだ」というイメージを持つことが、モチベーションを維持するコツです。
言語聴覚士の年収や職場環境から考えるキャリア形成
現実的なお話として、言語聴覚士 年収についても触れておきましょう。一般的に、STの初任給は他の医療職と大きく変わりませんが、経験年数や職場(公立病院、民間病院、訪問リハ、老健など)によって差が出てきます。
最近では、言語聴覚士としての専門性を活かしつつ、公認心理師の資格を併せ持ったり、認定言語聴覚士を目指したりすることで、キャリアアップを図る人も増えています。また、希少な存在であることから、地域によっては非常に重宝され、条件の良い職場で働けるチャンスもあります。英語という武器をプラスアルファで持っていれば、外資系のリハビリ施設や研究職、あるいは海外支援といった特殊なルートも視野に入ってくるでしょう。
サービス残業や人間関係の悩みと向き合うためのヒント
どんなにやりがいのある仕事でも、現場の人間関係やサービス残業が続くと、心身ともに疲弊してしまいますよね。「もっと患者さんと向き合う時間が欲しいのに、書類業務が終わらない」「多職種連携がうまくいかず、板挟みになってつらい」といった悩みは、多くのリハビリ職が抱えている共通の課題です。
もし、今の環境で自分らしさが失われていると感じるなら、一度立ち止まって外の世界に目を向けてみるのも一つの手です。自分のスキルが正当に評価され、ワークライフバランスが整った職場は必ず存在します。
キャリアの選択肢を広げるための手段として、『PT・OT・ST WORKER』のような専門の支援サービスを活用してみるのも良いでしょう。一人で抱え込まず、プロのアドバイスを借りることで、今の悩みを解決する新しい道がパッと開けるかもしれません。
まとめ:言語聴覚士に英語が必要な場面を見極めて成長しよう
ここまで、言語聴覚士にとっての英語の重要性や、資格取得までの道のり、そして現場でのリアルなキャリアについてお伝えしてきました。英語は必須ではありませんが、持っていると確実に「武器」になるスキルです。
大切なのは、背伸びをして完璧を目指すことではなく、自分の興味や理想の働き方に合わせて、必要な分だけ取り入れていくことです。言葉の壁を越えて、より多くの人を笑顔にできる言語聴覚士を目指して、一歩ずつ進んでいきましょう。
- 言語聴覚士の英語名は「Speech-Language-Hearing Therapist」
- 略称の「ST」は英語の「Speech Therapist」に由来している
- 作業療法士(OT)は英語で「Occupational Therapist」と呼ぶ
- 海外では「Speech-Language Pathologist(SLP)」と呼ばれることが多い
- 最新の治療法やエビデンスを学ぶには英語の文献購読が欠かせない
- 訪日外国人の増加に伴い現場での英会話ニーズは高まっている
- 高校生のうちに「生物」を勉強しておくと入学後の専門学習がスムーズ
- 国語力は患者さんとの対話や報告書作成の土台となる重要な科目
- 言語聴覚士の勉強は範囲が広いがメカニズムを理解すれば面白くなる
- 年収や待遇は勤務先によって異なるため将来を見据えた職場選びが大切
- 文系と理系の知識を併せ持つのがSTという職種のユニークな強み
- 英語ができると将来的に研究職や外資系施設などキャリアの幅が広がる
- 現場のストレスや悩みがある時は無理せず専門の相談機関を頼ること
- 日々の小さな学習の積み重ねが数年後の大きな専門性の差につながる
- 患者さんに寄り添う気持ちこそが英語以前に最も大切なスキルである
記事の信頼性を裏付ける参照資料一覧
- 一般社団法人 日本言語聴覚士協会:言語聴覚士とは・養成校検索
(出典:日本国内における職能団体の公式サイト。言語聴覚士の定義、仕事内容、および国家試験の受験資格を得るための養成課程に関する正確な情報が記載されています。) - American Speech-Language-Hearing Association (ASHA):Information for SLPs
(出典:米国言語聴覚協会。世界的に権威のある専門団体の公式サイトであり、国際的な呼称である「Speech-Language Pathologist(SLP)」の役割や専門領域、最新の臨床基準に関する世界標準の情報を公開しています。)
